おねがいタイムマシン!
作詞・作曲:スージー鈴木
加藤和彦が衝撃的な形でお亡くなりになりました。彼のことをずっと考えつづけてきて生きてきたわたしにとっては、とても考えさせられる事件でした。
うつ病だったという報道もありましたので、あまり彼の死についてどうこういうことは気が引けるのですが、ひとつだけ。
「音楽でやるべきことがなくなった」という言葉を遺して自害したそうです。
わたしは曲を作ります。歌を歌います。ここで、このような形で作品を発表しても、一銭も入ってきません。それどころか、もしかしたら少しばかりの嘲笑にあうかも知れません。
でも、私にとって、音楽は「やるべきこと」なのです。
音楽だけでなく、野球や、お笑いについて、いろいろと考えたり、書いたりすることも、すべて「やるべきこと」。これがなければ生きていけない。逆に、これがあるから生きていける。
たしかに、アマチュアの、なんの責任も影響力もない者の音楽活動と、日本の音楽を牽引しつづけた、特別な存在の、それも還暦を超えた状況での音楽活動には、とても大きな違いがあるでしょう。
でも、ぜったいに、加藤和彦にとって、音楽でやるべきことはあったはずです。
もしタイムマシンがあったなら、1958年の日本シリーズ、西鉄対巨人を見て、そして次に、1975年10月のロンドンに飛びたい。加藤和彦が、ロンドンのこまっしゃくれたボーイズ&ガールズを震撼させたミカバンドのライブを見てみたい。
野球と音楽の存在意義が、いまよりももっと分かりやすく、切実だった時代へ。
ベーブルース、稲尾和久、ランディ・バース、そして加藤和彦。野球と音楽に対する人々の健気でひたむきな想いにたいして全身で応えていた彼らにささげます。
♪スージー鈴木(左投右打)
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