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2010年02月 アーカイブ

2010年02月07日

新球団「松山ポンジュース」構想。

ワタシのサイトで運営している掲示板で議論になっている「四国でプロ野球チームの経営が成立するか?」問題について。

ワタシの意見を言えば、松山を本拠地としたプロ野球チームは成立する。それも、2リーグ制を前提とした球団拡張(たとえば各リーグにプラス2チーム)として成立する、という強気の意見です。ただしこれには条件が付きます。

そのチームは、現在の12球団から二段ぐらい落ちる、いわば社会人野球レベルのチームになるということ。以下、ちょっと長くなりますが、ワタシの考えを説明しますね。

そもそもマスコミで球団拡張の問題を語るのが、訳の分からない経済評論家か元プロ野球選手しかいないのがおかしい。一野球ファンの視点から、この問題について青臭い意見を言っておくことが必要な気がします。

前提認識として、プロ野球チームがながらく12球団で固定され、かつ社会人チームがどんどん減ってきている中、社会人野球レベルのプレーヤーがどんどん余り、野球を止めることを余儀なくされている情況があります。

経済評論家は、プロ球団の経営には●●万人の動員が必要と言いますが、それはトップオブトップである現在のプロ野球プレーヤーの人件費を前提としています。要するに1億円プレーヤーが数人いるという極端な環境が前提。

ここで想像してみます。新チーム「松山ポンジュース」(仮称)がパ・リーグに出来たとして、そこには1億円プレーヤーはひとりもいない、むしろ年俸1000万円以下レベルのプレーヤーがほとんどだとします。

でもね、観客は年間100万人とは言わずとも、50万人は入る可能性が高いような気がします。ひとつには野球熱が高い土壌、くわえて「おらが町のチーム」が出来た喜び、さらにはビジターとしてダルビッシュのような人気選手がどんどん来るのですから。結果、収支も健闘するのではないかと。

ここで元プロ野球選手はこう言います。球団拡張は日本の野球のレベルを下げる。メジャーリーグだって、30球団になってレベルが下がった。レベルが下がると観客は遠のく、と。

ワタシはここがいちばん疑わしいと思うのです。

極端な例を出せば、イチローは日本の晩年、ガラガラの東京ドーム(日ハム戦)で試合をしていました。松坂もしかり。ほんとうに日本の野球ファンが目が肥えていて、プレーのレベルにシビアなのであれば、こんなことは考えられないでしょう?

逆に、ついこのあいだまで球団がなかった札幌や仙台が、球団創設から10年も経たない間にあれほど盛り上がっている。つまりは、抽象的でつかみどころのない「プレーのレベル」なんかより、プロ野球のゲームが目の前で行われることのほうが、多くの人々にとってぜんぜん重要なことがらなのですよ。

たしかに「松山ポンジュース」は、ボロボロにやられるでしょう。でも切磋琢磨の中で必ず伸びてきます。そう断言できるほど、この国にはプレーヤー輩出への潤沢な土壌があるし、とくに今は選手が余っている。

こういう構想、実は2004年の球界再編時に、多くの心ある野球ファンから呈示されたような記憶があります。しかし経済評論家や元プロ野球選手に一笑に付され、そして何よりも当時はまだ巨人戦中継の利権があったから、球団拡張なんて現実的じゃなかった。

そして今、笑うしかない不景気。巨人戦中継の消滅。そして札幌や仙台の盛り上がり。それらの環境はすべて、青臭い(とは実は思っていませんが)球団拡張論を今一度世に問う勇気につながります。

2007年の夏の甲子園を騒がせた今治西のスラッガー、熊代聖人は、卒業後在籍していた日産自動車のチームが消滅し、王子製紙への移籍が決まったらしい。

「松山対日本ハム、2対13と大きく差が付きました。9回裏もマウンドにはダルビッシュが上がります。おっとここで松山、代打に地元出身の新人、熊代を出してきました。お聞きください、松山坊ちゃんスタジアムの大歓声! 観客はスタンディング・オベーションで熊代を迎えます!」

ずっと遠くのイチローより、ちょっと遠くのダルビッシュより、目の前の熊代聖人を。そう強く言い切れるのが、ほんとうの野球ファンだと思うのです。

(ス)

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