オリックス 阪急&近鉄のユニW復刻(12月30日スポニチアネックス)
岡田新監督を迎えて低迷打開を図るオリックスが来季、前身の阪急ブレーブスと04年オフに合併した近鉄バファローズのユニホームをダブルで復刻させるプランを進行中であることが29日、分かった。
復刻ユニホームは巨人、阪神など7球団が試合で着用しているが、一挙に2種類となると初めて。阪急、近鉄両球団の系譜を引き継ぐオリックスだからこそ可能となる。
復刻ユニホームの年代は未定だが、神戸で「阪急」、大阪で「近鉄」と使い分ける計画で、開催時期について球団関係者は「セ・リーグとの交流戦で検討しています」と語った。また球団は同時に阪急、近鉄の復刻グッズ販売も検討中。実現すれば、来季は「岡田オリックス」だけではなく、阪急、そして近鉄が関西球界を盛り上げてくれそうだ。
なんだコレ!?
昔、自分のサイトにこういうことを書いた「20080601/オリックスは復刻ユニフォームを着るべきではない」。こういう大事なことはクドいと思われてもなんども書いてやる。絶対反対。
オリックスのこのようなたくらみに対して、反対の意見が目立って出てこない事実、そして周りの元阪急ファン、元近鉄ファンもそんなに違和感を感じていなさそうなことも重々承知した上で、でも絶対反対だ。
これは2004年の、あの悲惨な球界再編問題に対する、憎しみ、怒りの深さの問題だと思う。
ワタシは、あの球団合併を、阪急ブレーブスの歴史、近鉄バファローズの歴史を「殺した」行為だと思っている。
埼玉西武は西鉄の系譜を確実に継いでいる。福岡ソフトバンクは南海だ。球団譲渡の経緯がどうであれ、少なくとも昭和から平成まで、野村克也と松中信彦、中西太と中村剛也が一本の線でつながれている。
でも福本豊や鈴木啓示と小松聖は、途切れている。いや、ミヤウチとナベツネとツツミによって、ちょん切られたのである。
ブレーブスのファンは、バファローズじゃなくってブレーブスを選択していた。その逆もまた然り。そんな2球団が「合併」「融合」「結合」などして許されるわけはないのである。
よくある「12球団の歴史系譜図」みたいなのでは、(当時の)オリックスと近鉄の「線」がいとも簡単に結ばれている。でもその結び目はまやかしだ。単なる新球団の誕生だ。そのぐらいブレーブスとバファローズの歴史は異質だと思う。西宮と藤井寺の距離はけたはずれに遠いんだ。
元阪急ファン、元近鉄ファンがあんがい冷静なのは、もう怒りを通り越してシニカルになっているのか、むしろこうなってしまったらユニフォーム姿を見られるだけでも御の字という諦観なのか。
そして、ワタシがこの件について熱くなってしまうのは、「福岡ダイエー"M"ホークス」をいちど覚悟しながらなんとか難を逃れた人間の青臭さなのか。
>神戸で「阪急」、大阪で「近鉄」と使い分ける計画
>阪急、そして近鉄が関西球界を盛り上げてくれそうだ。
このフレーズはあまりに楽観的だろう。ここまでの話を、ものすごく、とてもシンプルに立証するとすれば、現オリックスのコーチ陣のことを考えてみればいい。
投手コーチ星野伸之の近鉄ユニフォーム姿、打撃コーチ水口栄二の阪急ユニフォーム姿―――そんなもの、ほんとうに見たいか?
(スージー鈴木)