« 政権交代ということで | メイン | 千葉マリン「横断幕問題」について。 »

「日本で打つよりずっと楽」

ワケあって国内のプロ野球についてあまり考えたくない状況なので(笑)、
久々に、異国でまたまた偉業を達成したあの人について、
ちょっと考えてみようかと。

ここ一連のイチローの発言で最も注目すべきなのは、
メジャー通算2000本安打を打った際のコメントだと思う。

「試合数が多いですから、日本で打つよりずっと楽」

ワタシの知る限り、このコメントについてまともに考察したメディアはない。
イチロー独特のレトリックとして“処理”しただけだろう。
しかし、ここにある「NPBとMLBをフラットに見る視点」について、
もっときちんと考えたほうがよくはないか。

このコメントを素直に発展させれば
「日本で打つのだって大変ですよ」ということになり、それは
「日本のプロ野球のレベルだって相当なもんです」ということになるわけだが、
おそらく、イチローが言いたいのはそういうことでもないだろう。

日々、ヒットを積み重ねていく難行苦行の過程には、
幾多の鬱陶しいハードルが存在するはずだ。
それは相手投手の投球であり、フィールドのコンディションであり、
あることないこと書きまくるメディアであり、
チームメイトとの折り合いであり、
気候であり居住空間であり食い物でありストーカーまがいのファンであり……

そういう一切を含めたうえで
「日本には日本の鬱陶しいハードルがあり、
メジャーにはメジャーの鬱陶しいハードルがある。
どちらが上でどちらが下というものではない。どちらも野球なのだから」
というのがイチローの本意ではないか、とワタシは勝手に翻訳するわけであります。

「どちらも野球なのだから」という大きな視点に立てば、
NPBもMLBも、実は大して違いはない。
どちらも同じように、フラットに楽しめばよい。それが野球好きの態度である。

だから、菊池雄星クンの最近の発言を聞いていると、
老婆心ながら、ついこう言ってみたくなるのだ。

「別にメジャー、メジャーと熱くなることはないよ。
行きたかったら、そのうち行けるんだし。
ヤンキースタジアムで投げるのも、Kスタ宮城で投げるのも、
キミが考えているほど大きな違いはないんだよ。どちらも野球なのだから」

(オースギ)


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.yakyu-yoku.com/hot/mt-tb.cgi/172

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

About

2009年09月16日 01:00に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「政権交代ということで」です。

次の投稿は「千葉マリン「横断幕問題」について。」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。