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決勝戦を前に

ESPNのコラムニストが、アメリカの敗退を嘆き、愚痴っている。

なぜ、ジーターがショートを守り、明らかに守備力でまさるロリンズがDHなのか。
それは、「格上」のジーターに気を遣ったからだ。
そういう用兵がまかり通るということは、つまり、
アメリカチームには本当に「勝つ気」がなかったということにほかならない。

日本は、勝つための最善の努力をしてきた。それは、監督の人選を見れば明らかだ。
当初は、北京五輪で国民を失望させたホシノ・センイチとされていたが、
「現役の監督を候補から除外するなんて、本当に勝つ気があるとは思えない」
というイチローの発言がきっかけとなって、
トーキョー・ジャイアンツの「現役」監督であるハラを起用したのだ。

(なかなかよく取材してますね、日本の事情を)

それにひきかえアメリカは、
ホシノと同様に北京五輪で国民を失望させたジョンソンに監督をやらせた。
たしかにジョンソンはワールドシリーズを制した経験があるが、
それは1986年という遠い昔の話だ。

右投手のマハラに対して、左打者のグランダーソンに代えて
右打者(しかもチームに合流したばかり)のロンゴリアを代打に送ったのもナンセンス。
ジョンソンは「ロンゴリアの一発に期待した」と語っていたが、
強風の影響でレフト方向の打球が全然飛ばないのは
デローサの2つの打球を見ていれば誰でも分かる。
こんな日にレフトスタンドに放り込めるヤツなんかいるわけがない。

そもそもアメリカチームは辞退者続出でロクなチーム編成ができなかったうえに、
かろうじて選んだ選手をうまく使いこなすことすらできなかった。

アメリカ以外の国ではWBCはすっかりポピュラーになり、
スーパーボウル並みの視聴率を記録するほどだ。
他国のファンは、自分たちはベストのチームを送り出していると自負しているのだろう。
それにひきかえアメリカでは、
"John and Kate Plus Eight''
(ホームドラマみたい。よく知らん)以下の視聴率だ。
アメリカのファンはWBCにまともな関心を向けようとしないのだが、
今日のような情けない敗戦を目にしたら、その無関心も仕方ないと言わざるをえない。

まあ、日本も「格上」のイチローに過剰に気を遣っているのですがね。

それはともかく、「MLBによる、MLBのためのイベント」であるWBCで、
もっともやる気のないのがアメリカで、もっともやる気があるのが日本と韓国。
日本も韓国も、人材面&金銭面でMLBに搾取される立場なのに、
なぜここまで真面目にやるのか。
明らかなこの矛盾を、ワタシはあえて肯定したい。
なぜなら、それが「野球」である限り、たとえ間違った土俵であろうとも、
真面目に戦うのが当たり前だからだ。

決勝戦。東アジアの「真面目な野球」を存分に見せてもらいたい。
たとえ、それを見ているアメリカ人が数えるほどしかいないとしても。

(オースギ)

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2009年03月24日 00:49に投稿されたエントリーのページです。

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