今年は、諸事情あって正月明けの3連休に新潟市へ帰省。
上越新幹線が終点の新潟駅に着く直前、
進行方向右手に目をやると、いつものように
J1アルビレックスの本拠地「東北電力スタジアム」(通称ビッグスワン)の威容がある。
そして、その隣に、まるで恐竜の骨格標本のような鉄骨の塊が見えた。
我が故郷・新潟市に、ようやく、3万人収容・ナイター設備有の新球場が完成する。
7月7日・8日には広島×阪神戦が開催され(新潟県で行われるプロ野球公式戦は19年ぶり)、
2010年オールスターゲームの開催も内定。
昔から「高校野球最弱県」のレッテルを貼られ、
アルビレックス発足後はすっかりサッカー一色の風土になってしまった新潟に、
ようやく、他県並みの野球インフラが整ったわけである。
で、その新球場が、ネーミング問題で揉めているらしい。
実家で地元民の弟に「この不景気で球場にスポンサーなんて付くのか?」と聞いたら
「サッカーと一緒で東北電力って話だよ」。
ま、その仮定で話を進めると、個人的意見としては、
スポンサー名も「ドカベン」も両方付ければいいんじゃないの、ということになる。
長すぎる気もするが、冷静に考えるとそうでもない。
「東北電力ドカベンスタジアム新潟」
「マツダZoom-Zoomスタジアム広島」
「クリネックススタジアム宮城」
ほら、大して変わらないでしょ。どうせ、みんな「ドカスタ」とか「Dスタ」とか
勝手に略称で呼ぶようになるんだろうし。
それより「『特定の高校のイメージが強過ぎる』などの否定的な意見もある」というのが
地元出身者としてはリアリティがある。
ここでいう「特定の高校」とは、言うまでもなく、新潟明訓高校ですね。
かく言うワタシが、28年前の春、第一志望の公立に落ちて
仕方なく入学した高校であります。
いまでも覚えている、入学式での当時の校長の挨拶。
「我が校はマンガでばかり有名ですが、諸君はそういうこととは関係なく、
勉学に励んでもらいたい」
さて、マンガの「明訓」は神奈川県の高校である。
だから、本当の明訓OBとして言わせてもらうと、
「ドカベン」が新潟になじみが深い、というのはややピンとこないのである。
水島作品でいえば、“新潟度”が濃いのは「あぶさん」のほうだ。
景浦安武は新潟市出身であり、当たり前だが、オフは新潟に帰省する。
よく、粉雪舞う信濃川と万代橋(新潟市の代表的風景)が
マンガに登場していた記憶がある。
なぜ「あぶさんスタジアム」という声はあがらないのだろう。
「あぶスタ」では語呂が悪いからか?
それとも、アル中の名前を付けるのは教育上よろしくないから?
(オースギ)