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一人間として

ワタシが愛読するスポーツ紙は言わずと知れた中日スポーツ(東京地区では東京中日スポーツですな)。
ドラゴンズの親会社が発行する新聞ゆえにリーク記事が紙面に展開されることは極めて稀。
大本営から秘密をバラすわけにはいかないってことは重々承知しているわけだが、愛するチーム内に生じたニュースはなんでも知りたいのがファンの性。

その点、中京スポーツ(東京あたりじゃ東京スポーツね。ちなみに大阪では大阪スポーツ。分かり易い)はホントかよ?と思える記事も多いが、中日スポーツでは絶対書かない、いや書けない内容をデカデカとスクープしてくるから目が外せない。

4/25付中京スポーツに掲載されていたスクープ記事はある種人権問題に引っ掛かるような内紛記事が紹介されていた。
23日、ナゴヤ球場で行われたウエスタン・リーグ公式戦、中日対福岡ソフトバンク戦の4回裏、中日・無死満塁のチャンスで打席に立った堂上剛裕外野手が期待むなしく三振に倒れた。

ベンチに戻ってきた堂上に向かって高柳秀樹二軍打撃コーチが激しく叱責。「死ね!」 との言葉もあったことで大騒動となったという。その時、ベンチにいた森岡良介内野手が「ボクらだって一生懸命にやっているんですよ。 それを選手に向かって“死ね!”なんてひどくないですか!」と声を荒げ、高柳コーチは「何だと!それが目上に対して言うことか!」 。一塁ベンチ前で、にらみ合う2人をナインが慌てて引き離し、 最悪の事態こそ免れたものの、 ファンの目の前で繰り広げられた“内乱劇”にグラウンドもスタンドも凍りついたそうだ(以上、記事抜粋)。

この記事が真実ならば、いやあ実に大人気ない。
死ね!なんて言葉、最近では漫才師の藤原のギャグでしか聞いたことがない。
なおも話は続き、ゲーム終了後には辻二軍監督はナインを集め、何時でも上司に逆らうことは社会上許される行為ではないと訓示したとか。
噂ではその後森岡だけに一週間の謹慎処分が下されたらしい。
これって不合理極まりないと思えない?


日本社会、いつ何時も上の者が正しく、下の者が正しくてもおかしく論じられる習慣がまかり通っている気がしてならない。そして一度下の者が反抗のそぶりを見せれば、反逆者としてのレッテルが貼られ、デキる人間でも評価されることなく、その組織の窓際に追い込まれるという話は枚挙にいとまがない。このような話で実力があってもゲームに使われることなく、そしてひっそり引退していった選手も数多いことだろう。

プロ野球だろうが会社だろうが、人間が動いてナンボの世界。
そこに良好なる人間関係が成り立ってこそ組織は目標に向かって一つになっていくわけだ。
当たり前だが上司・部下、コーチ・選手、皆喜怒哀楽をみせる人間なのである。

阿久悠作詞の名曲『時の過ぎ行くままに』の一節にこんな歌詞がある。

身体の傷なら治せるけれど、心の痛手は癒せはしない。

今は森岡ならびに他ファーム選手の心が首脳陣から離れないことを願うばかりだ。


(モリトール)

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コメント (1)

イム・チャンポン:

昨日、Jリーグの審判が選手に向かって「死ね!」と言ったらしいですが、まさか中日スポーツを読んでいたのでは……? 

>死ね!なんて言葉、最近では漫才師の藤原のギャグでしか聞いたことがない。

ブラックマヨネーズも、定番のケンカネタのときに言ってますね。

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2008年04月28日 09:39に投稿されたエントリーのページです。

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