前田智徳をめぐる、個人的思い出話
95年というから、もう12年前の話。
その日、時間が空いたワタシは
「神宮でも行くか」というわけで、
外苑前の駅からテクテク歩いて球場へ到着。
すでに試合は始まっており、足早に正面入口のチケット売り場へ向かうと、
そこにサイレンを点灯させた救急車が滑り込んできた。
「おっ、ファウルボール直撃か? もしくは急性アル中かね?」
などとノンキなことを考えながらその脇を通り過ぎたのですが……。
それが、アキレス腱を切った前田智徳を
搬送するための救急車だったと知ったのは、
夜のスポーツニュースを見たときでした。
あれは松坂プロ初登板の日だったから、99年の話。
その日、所用があって広島にいたワタシは、
「ホントは東京ドームで松坂見たかったな」
と思いながら、市民球場のスタンドに座っておりました。
プレイボール直前、カープの選手がグラウンドに登場。
目をやると、その中に奇妙な格好でキャッチボールをしている選手が。
そいつは、バッティングフォームの格好をしながらキャッチボールをしていたのです。
トップの位置にグローブを構え、そのままの態勢で捕球。
で、気のない球を相手に投げ返すと、またバット……じゃなくてグローブを構える。
もちろんその男とは、稀代の打撃バカ・前田智徳でありました。
数々の“前田都市伝説”の中でワタシが最も好きなのは、
イチローに「内野安打なんか打って本当に嬉しいか?」と問い詰めたという話です。
(大)